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中性子基礎物理研究

超冷中性子(Ultra-Cold Neutron: UCN)という運動エネルギーが300neV(ナノ電子ボルト)という極めて低いエネルギーの中性子を用いて基礎物理研究を行っています。そのエネルギーの低さから、UCNには物質容器中に溜めこむことが可能という非常にユニークな性質があります。このUCNを用い、中性子電気双極子モーメント(neutron Electric Dipole Moment: nEDM)を精密観測することで、時間反転対称性の破れを探索しています。CPT定理を仮定すれば時間反転対称性の破れはCP対称性の破れと同義であり、この研究を通して現在の物質優勢宇宙の起源を解明することを目指しています。

現在までに有限のnEDMを観測した実験はありません。しかし、実験が与えるnEDMの上限値が理論に大きな制限を与えてきました。現在の上限値は3×10-26 ecmで、統計精度によって制限されています[J. M. Pendlebury et al., Phys. Rev. D. 92, 092003 (2015)]。カナダとの国際共同実験により、TRIUMF研究所に高強度のUCN源を建設することで、この精度を1桁以上向上させることを目指しています。超対称性理論などの新物理ではこの領域にnEDMの存在を予言するものもあり、世界に先駆けてこの領域を探索することによりnEDMを発見することを期待しています。

当研究グループでは意欲的な学生の参加を歓迎します。研究内容に興味のある方は気軽に川崎まで連絡ください。

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最終更新日:2018/06/07