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講義内容

5年一貫制の博士課程で予定されている、実験系の講義内容について説明します。平成18年度からは5年一貫制博士課程への移行に伴い、学部卒レベルの方々を対象とした、より基礎的な講義も新たに開講しています。詳細はこちらの授業科目をご覧ください。

カリキュラム

実験系の大学院カリキュラムは

  • スクーリング:講義を通じて基礎的・専門的な知識を修得する。
  • 実地トレーニング:所属する研究グループの実験に直接参加して基本的な手法を修得する。
  • 研究:学位論文の具体的なテーマを定め、指導教官のアドバイスのもとに研究を行う。

の三つで構成されます。
通常の修士・博士課程と同じように一年次はスクーリングが主ですが、徐々に実地トレーニングに重点が移り、課程の後半は自分自身の研究に集中することになります。

基礎的な講義

基礎的な講義として、

  • 高エネルギー加速器科学研究科の三専攻に共通の入門科目
    「高エネルギー加速器科学セミナー」が開講されます。KEKの第一線の研究者が加速器科学の研究最前線の状況を広範囲にわたって講義します。
  • 素粒子原子核物理の研究を実際に行う上で必須となる実験的手法の基礎知識を修得するための
    「高エネルギー物理学概論」
    「粒子測定原理
    などの科目が開講されます。
  • 実験研究を行う上で必要な理論の知識、例えばディラック方程式、場の量子論、特殊・一般相対性理論、宇宙論などを学ぶための科目として
    「相対論的物理学
    が開講されます。
    大学の学部時代にこのような講義を聴く機会がなかった人も、大学院進学後に理論の基礎知識を修得することができます。
  • 共通専門科目「高エネルギー 加速器科学セミナー」の実験関係の講義例をPower Pointファイル(音声付き)またはPDFファイルとして用意しました。(閲覧にはマイクロソフト社Power Point、Adobe社Acrobat Reader、またはそれらの互換ソフトが必要です。)

専門的な講義

専門的な講義は、各人の研究分野に必要な科目を選択して履修することになります。最新の研究成果を議論するために、少人数による輪講やセミナーの形式がとられることが多いようです。
参考までに、過去数年間にKEKで開講された実験系の科目を御紹介します。

  • 「素粒子原子核物理」
    最近の高エネルギー実験の概説と基礎知識を講義した後、最新の実験・理論のトピックスを専門家が解説した。
  • 「高エネルギーレプトン反応」
    電子・陽電子衝突実験の基礎を講義した後、代表的な衝突実験(TOPAZ,TASSO,BELLE,ALEPH)の論文を輪講した。
  • 「ハドロン分光学」
    レクチャーノート(Y.Nir, “CP Violation-A New Era”)の輪講を通して、CP対称性が破れる様々な場合を解説した。
    読むだけではなく計算等を各自に行ってもらうことで、内容の理解を深めた。
  • 「粒子測定原理」
    テキストの輪講を通して測定器原理の概説を行なった。
  • 「測定器システム設計」
    素粒子物理の発展のキ-となった実験を実験装置設計の視点からとらえ直すことを目的として、原論文の検討を行った。
  • 「粒子検出器」
    次世代高エネルギー衝突型加速器実験で必要な主要検出器の動作と、それらからの情報を統合し素粒子反応を再構成する方法について、測定器シミュレータを使った実習を通して理解を深めた。
  • 「粒子計測回路概論I」
    放射線検出器の動作原理とエレクトロニクス(シグナルプロセッシング、トランジスタ、回路)などについて講義した。
  • 「粒子計測回路概論II」
    アナログ集積回路の設計に関して講義した。
  • 「統計データ処理」
    実験データの統計処理の手法について、実例を交えて講義した。

具体的な講義内容については、こちらをご覧下さい。

実地トレーニング・研究

実地トレーニングや研究は、指導教官のもとで
「素粒子原子核実験演習」
「実験素粒子原子核物理特別研究」

という科目により行われます。
大学の学部での学生実験のように決められた時間割やメニューにしたがって行うのではなく、所属する研究グループの実験に直接参加して行った一年間の研究活動の成果に対して単位が認定されます。
実験に用いるハードウエア・ソフトウエアの一部分を担当することから始まり、”物理”のためのデータ収集を行ってその解析を進めます。そして研究の成果は、学位論文(英語で書くことが多いです)として集大成されることが期待されています。
学位論文を完成させて審査を受けることにより、博士号を取得することができます。

通常の修士・博士課程では、修士課程の最後に”修士論文”を作成して審査を受けます。5年一貫制の博士課程では制度上、修士論文の提出を要求していません。しかし、修士論文は博士の学位論文の研究に進むための極めて重要なステップですので、素粒子原子核専攻の実験系コースでは、二年次の最後に修士論文もしくはそれと同等の論文の作成と発表を要求する予定です。御注意下さい。


最終更新日:2010/02/22